(雨)
名づけるとは
むかし雨という
柔らかな女神の行列がそうしたように
寺院や魚や
大地や草を
はこべやははこぐさを
うっすらと濡らすこと
乾いてきたら
また名づけ直さなければならない
われわれというありかたが
雨なのだ
投げ網のように柔らかく降りかかる
雨
──詩集『稲妻狩』(思潮社、2007)より