〜〜新刊紹介〜〜
一人の詩人が、地の境を越え、時の縁を踏んで、行く。世界とじかに感応し、人々の声に触る。体と声と宇宙を旋回させて、めくるめく現在を創出しようとする。
移動と律動と眩暈と
──詩的エッセイ1992〜2010

2011年4月刊 書肆山田/
2500円
詩は難解でなければならない。
いつの時代にあっても、詩は言葉で世界を捕らえ直す試みである。

現代詩をリードし、つねに詩の現場に立ち会ってきた著者の最新評論集。新たな詩の生成を見守りつづけた「荒野のアクション」「荒野の卵」ほか、「女性詩」をめぐる言説に終止符を打つ「結晶へ襞へ」など、初出時より話題を呼んだ数々の論考を収載。
詩のガイアをもとめて
2009年10月刊 思潮社2800円
生まれやまぬ他者の泉、
私はそこに近づき、
手を伸ばす、
しののめ、縁辺の、
青い闇が根源のように散る、

まるで事故のように出遭う、死者たち、殺人者、人妻、恋人、分身、虫、少女…… 自己と他者の境界を行き来する、1ダースの〈歌物語〉。
ZOLO
2009年10月刊 思潮社3200円

その時、炸裂するものがあって、一つの意味は百もの無意味に分岐した。無意味は、けれども、記憶のささくれにさわり、血を滲ませる。遠く背後にしたと思われる起点が不意に魁偉な姿で立ちはだかり、永く狂いつづけている世界と佇立するぼく自身をうながす──いや、ここからが出発なのだ、と。
序として新作の長詩「言葉たちは移動をつづけよ、つまり芝居を、芝居を」を加えた注目の初期詩篇集成。

言葉たちは移動をつづけよ、つまり芝居を、芝居を 野村喜和夫
2008年10月刊 書肆山田/2800円

現代詩の最先端で活躍する著者が、古今東西の詩的テクスト(舞城王太郎から、ランボー、リルケ、マラルメを経て、宮沢賢治、吉増剛造まで)を渉猟しつつ、詩作の根本動機そして詩/生/死をめぐって繰り広げる壮大な批評の冒険!

オルフェウス的主題 野村喜和夫
2008年2月刊 水声社/2800円
言葉の宇宙をめぐる旅へ!
現代詩の先端を走る詩人
野村喜和夫の
第14冊目の詩集
plan14 野村喜和夫
2007年10月刊 本阿弥書店/2.500円
矛盾、幻覚、現代性。
詩人の心得、教えます。

「言葉の意味は一瞬である。だが言葉の実在の輝きは永遠である」――天才詩人ランボーの『地獄の季節』は、いまなお最高の「現代詩入門」です。詩人になりたい人へ向けて、この「詩と格闘する詩人の物語」を鮮やかに再現します。詩人の心構え、詩的言語の独自性がまっすぐに伝わる本書で、あなたも実作への扉を開けてください。
ランボー『地獄の季節』
詩人になりたいあなたへ 野村喜和夫

2007年7月刊 みすず書房/1.500円
「生きるとは」
欲望の対象が右から左へと逃げ去って
やがて欲望だけが
干からびたなまこのように残る


現代詩のトップランナーが送る、愛と死と快楽のとっておき
アフォリズム集。永遠より一日だけ短い、人生のために。
稲妻狩 野村喜和夫
2007年6月刊 思潮社/2.800円
眼(眼よりも深い
あるいは遠い
器官(をも越えた
器官(を通して
なおも
私はみようと
していた

どこまでも惑乱してゆく野生の眼に、
眩暈がするほど世界が剥きあらわれてくる。
世紀をまたいで薄明の奥処へと、
そして深闇へと飛散し、
茂繁しつづけてきた詩人のかぐわしき化体。
『狂気の涼しい種子』『幸福な物質』につづく
三部作完結編。
『あるいは生という小さな毬』と『そして最後の三分間』の2分冊より成る。
スペクタクル 野村喜和夫
2006年7月刊 思潮社/4.600円
+ 対談(野村喜和夫×山内功一郎)、英訳詩篇(マイケル・パーマー×山内功一郎訳)、新作詩篇、論考(鈴村和成、新井豊美 他)、エッセイ(中沢けい、藤沢周 他)、オマージュ(小林泰夫)などにより、詩の最先端を走り続ける詩人の姿を浮き彫りにする充実した特集。
水声通信5・特集 野村喜和夫
2006年2月刊 水声社/3.600円
いたるところに存在する見えない戦争のさなか、どのようにして詩は可能になるのか。突き刺さる現実を問い、『討議戦後詩』の成果を踏まえて、詩と生を貫く骨太な論理を提示する。最先端で活動する詩人、作家、批評家らとの2年間にわたる白熱の連続討議。
討議 詩の現在
2005年11月刊 思潮社/3.600円
言語は宇宙からのヴィールスだといったのがW.S.バロウズならば、レインボー暦に錯乱する惑星都市の言語を発明したのが、ノムラ.キワオだ。女、ではなく、女α。その夢と肉を細胞分裂させて詩人は奇妙な街を造り上げてしまった。言語の黒い波動に揺らめく起源と呪文と妄想の街―。
街の衣のいちまい下の虹は蛇だ
2005年刊 河出書房新社
/3.300円